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失敗しないための歯科医師選び

それでは、経験豊かで、知識もあり、技術も高く、治療にまじめに取り組んでいる歯科医師をどのように探せばいいのでしょうか。私が重要だと考えるチェック・ポイントは次に挙げる10カ条で、それほど厳しい条件だとは思いません。医療従事者として、歯科医師として当然のことがほとんどです。ただし、診療所のスペースなど物理的な問題で10カ条すべてをクリアできない歯科医院もあるかもしれません。しかし、治療に当たる姿勢がしっかりしていれば、実現できることがほとんどではないでしょうか。

そういった意味でこの10カ条を参考に、患者様自身の目でチェックして、信頼のおける歯科医師や歯科医院を探すことをおすすめします。

日本口腔インプラント学会の認定医

“認定医”というのは、インプラント学会に限らず、さまざまな学会でドクターの学識と経験を認めた場合に認証するもので、学会の推薦状のようなものです。

日本口腔インプラント学会の場合、

  • 学会に5年以上在籍
  • 100時間以上の研修を受講
  • 研修終了後5年間に一定数以上の症例を経験する

以上の経験を満たした場合に、初めて認定医の試験を受けることができます。

学会員約4200名のうち認定医の資格保持者は約350名。かなり権威のあるものです。もちろん認定医ではなくても素晴らしい実績を上げられている歯科医師もいますが、患者様が歯科医師を選ぶ基準として「日本口腔インプラント学会認定医」かどうかを確認することは有効だと思います。

認定医のドクターは、それぞれ時間をかけて努力もされて合格を獲得しているので、医院に認定書を掲げたり、インターネットのホームページなどでアピールされていると思います。

歯磨きの指導や歯石の除去など歯槽膿漏対策に熱心

インプラントの耐久性はきわめて長期で安定性の高いものです。しかし、どんなものでもそうですが、メンテナンスが良くなければダメになるのが早くなってしまいます。インプラントは人工の歯なので虫歯にはなりませんが、構造上連結部分に歯垢がたまりやすく、歯周病になりやすいのです。もともと、なぜインプラントを入れなければいけなくなったかを考えると、歯磨きを十分にしていなかったことが、虫歯や歯周病で歯をなくす原因の一つだった場合がほとんどでしょう。

インプラントを入れたら、何もしないで永遠にもつわけではありません。歯科衛生士がきちんと歯垢が取れる歯の磨き方を指導し、歯石の除去を積極的に行うなど、歯槽膿漏対策を熱心に行っている歯科医院ならば、インプラントへの理解も深く、安心だと思います。「ちゃんと磨いておいてくださいね」などと一言だけの医院は避けたほうが無難でしょう。

以上2点が大きなポイントになりますが、実はこの2つはインプラントに限らず、“良い歯科医師”を見つける条件と重なります。

1.の認定医の認定証以外にも研修の修了書などが多く掲げられていれば、ある程度の安心材料になるのではないでしょうか。現在、インプラントに限らず歯科技術は急速に発達しています。いつまでも古い知識や技術だけではやっていけません。厚生労働省と歯科医師会でも“生涯研修制度”で研修を勧めています。日常業務と同様に新しい知識や技術を得ることに熱心かどうか、研修会の終了証が目安になりますし、その歯科医師の専門もわかります。

2.の予防に力を入れることは、インプラントに限らず虫歯その他の症状にとっても大事なことです。ですから、歯磨き指導など予防に熱心な歯科医院は“良い歯科医院”の条件と言ってよいでしょう。

では、次にその他の“良い歯科医院”の条件を挙げてみましょう。“良い歯科医院”でなければ、正しいインプラント治療が行われない可能性が高くなるので、そういった意味でもチェックしてみてください。

インフォームドコンセントがなされている

インフォームドコンセントとは、患者様にその治療のメリットとデメリットを説明し、患者様の主体的な意志で治療法を選ぶことができるような方法を指します。何も説明もなくいきなり治療というのでは、患者様の不安は高まるばかりでしょう。歯科医師が医学的判断で良かれと考えてしたことでも、患者様には不満ばかりが残ってしまうかもしれません。特に歯科の場合、命に別状があるケースはほとんどありませんから、患者様に正直に症状を告げても問題はあまりないはずです。というよりも、説明がなければ自分の口の中をどうされているのかわからないという不安が大きくなるだけでしょう。

歯科の場合、検査をした段階でおよその症状がわかり、治療方針が立てられます。そこで、口頭で説明するなり、ノートに手書きで図を書いて見せるなり、あるいはパネルボードを用意して見せることになります。

最近はコンピューターで説明する歯科医師も増えてきました。口の中をビデオで撮影し、治療後はどうなるのかをコンピューターでシュミレーションし、ビジュアルで患者様に見せることができます。従来は、患者様は鏡で前歯の部前面部分だけしか見られませんでしたが、この方法なら明確に治療後の口の中をイメージすることができるでしょう。患者様の治療方法への理解が深まるだけでなく、歯科医師とのお互いの勘違いなどを防ぎ、無用なトラブルも生じません。

アフターケアがしっかりしている

治療を行った歯が何らかの理由で不具合が生じた場合、またイチからやり直しても料金も同じように払ってくださいという歯科医院は良心的とは言えないでしょう。

私が理事長をしている医療法人社団 高輪会の歯科診療室では「保証書」を出しています。日本ではあまり普及していないシステムなので、「保証書」を出してくれと言ったらビックリする歯科医師も多いかもしれませんが、口頭でも「アフターケアを行う」とはっきり言う歯科医師が望ましいでしょう。

1回当たりの診療時間を長く、治療期間は短くしている

予約をたくさん入れて数をこなそうとする歯科医院は要注意です。一般的には1人のドクターが1日に治療できる患者数は約20人程度とされています。大きな一部屋に何台もの診療台を置いて患者様の間を飛び回って1日40~50人も治療している歯科医院も少なくありませんが、良心的な治療という側面と4.の衛生面からも疑問が残ります。同じ診療内容なら長く通院させた方が医院の収入が増えるというシステムなので、そこを悪用している医院がないとは言い切れません。患者様の立場に立てば仕事や楊枝をやりくりして通院するのですから、短期間で終わった方が良いに決まっています。

高額治療を無理強いしたり、領収書を出さない

やたらに高額の治療だけをすすめる歯科医師も考えものです。症状や患者様の希望によって高額にならざるを得ない場合も多いですが、そういった際も患者様の意志をよく聞き、その患者様の経済的な許容範囲の中で治療しようとする歯科医師が望ましいでしょう。治療費についてもインフォームドコンセントが充分になされなければなりません。

インフォームドコンセントが行われていれば問題ないのですが、あまり説明もしないでレントゲンを撮ったり、最初の話とは違う場所まで治療する歯科医師も避けた方がいいでしょう。業界用語で“濃厚治療”と言い、過剰に治療して保険点数を稼ごうという意図が疑われます。また、最近は少なくなりましたが、領収書を出さない、あるいは性急しなければ領収書を出さない歯科医院は、相当無理な節税を行っている危険性が高いと言えます。そのような歯科医院は敬遠する方が無難でしょう。

子供を嫌がらない歯科医院

歯科医師にとって子どもの治療は手間もかかり気もつかいます。泣き叫ぶ子供を相手に治療しなければばらず、院内を走ったり、大声を出したらりして他の患者様の迷惑になる場合も多いのです。ですから、子供の治療を敬遠する気持ちもわからなくもないのですが、医療従事者として患者様の病気や怪我を治療するというのは基本中の基本です。子供を敬遠するなど、もってのほかと言わざるを得ません。子供を落ち着かせるノウハウも蓄積されていくでしょう。

スタッフの患者様への配慮が行き届いている

患者様が診察券をうっかり忘れた時に嫌みを言ったり、終了時間が近くなると片づけを始めたりするスタッフがいる歯科医院は、スタッフへの教育が充分でないと言わざるを得ません。また、急患で患者様の痛みが激しいのに順番通りに待たせるなど、患者様への配慮が足りないスタッフも困ります。

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