日本摂食嚥下リハビリテーション学会での学び
当会の歯科医師が、2025年9月19日〜20日に開催された「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」に参加し、誤嚥性肺炎対策に関する研究発表を聴講いたしました。
誤嚥性肺炎は、一般的な肺炎に比べて再発率が高く、問題視されています。唾液による不顕性誤嚥(咳が出ない誤嚥)も要因のひとつとして取り上げあられ、学会では口腔内の細菌が肺炎の発症に与える影響について発表がありました。唾液を誤嚥すると細菌の作用によって気道の防御機能(異物を排出する働き)が弱まるという報告があり、日常的な口腔ケアの徹底が誤嚥性肺炎の予防に直結することを改めて確認いたしました。
また、味蕾(みらい)に関する研究では、舌などの表面にある味覚の受容器である味蕾が、抗精神病薬、抗うつ薬、また鎮痛薬などの薬剤によって信号伝達が阻害され、味覚が低下する可能性があることが示されました。歯科診療の際、味覚の変化を訴えた患者さまに関して薬剤への配慮に対する重要性を再認識いたしました。
今後も学会などを通じて最新の知見を積極的に学び、日々の診療における口腔ケアの質の向上に努めてまいります。