介護施設での「口腔ケアセミナー」を開催しました
2025年5月27日(火)、都内の介護施設を訪問し、「口腔ケアセミナー」を開催しました。
参加者は30~40名ほど。実際のケアに携わっている施設スタッフの方々に向けて、口腔ケアの基礎から応用まで、わかりやすくお伝えしました。
今回はその内容や様子を少しご紹介いたします。
① 口腔ケアの重要性について
要介護の方は、健康な人と比べてお口の中が汚れやすくなる傾向があります。その理由には以下のようなことが挙げられます。
・唾液の分泌量の低下によって、自浄作用が弱まり汚れがたまりやすくなる
・かむ・飲み込む・発音するといった口腔機能の低下
そこで大切になるのが口腔健康管理。その目的は、お口や全身の健康を維持・増進し、生活の質(QOL)の向上を図ることです。
特に注目すべきは、誤嚥性肺炎の予防。これは、お口の中の細菌や逆流した胃液が誤って気管に入ることで起こる肺炎で、以下の3つが主なリスク因子です。
1. 嚥下機能の低下
2. 防御機能の低下
3. 起炎物質(細菌など)の増加
⇒ お口の中を清潔に保ち、細菌数を減らすことが、誤嚥性肺炎の予防につながります!
② ケアの手順と具体的な方法
次に、日々のケアを行うスタッフの皆さんに向けて、手順のポイントや歯ブラシ・スポンジブラシの使い方などについて詳しく説明しました。
③ 義歯の清掃と管理について
義歯(入れ歯)は清掃と保管方法を誤ると、お口の中のトラブルにつながります。適切なケア方法や、日常で気をつけるポイントを丁寧にお伝えしました。
④ 口腔内の過敏症状・拒否のある方の対応方法
お口が開かない、拒否のある方には、口角(口の端)から優しく指を入れて、脱感作を促すことで拒否感を軽減させる方法など、現場で実践できる具体的なアプローチをご紹介しました。
⑤ 実習タイム
最後は、実際にご自身の口を使って口腔ケアを実践していただきました。
・手の動かし方
・力加減
・使用感の違い
などを体感することで、明日からのケアにすぐに活かせる学びを深めていただけたようです。
実際の現場で役立てていただける内容をお届けできたことを、とても嬉しく思っています。
これからも介護の現場に寄り添いながら、口腔ケアの大切さを伝えてまいります。